5月に体育会採用の企業がやること|選考開始の6月1日を前にした準備と春季シーズン終盤への配慮

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「4月が終わり、いよいよ6月1日が近づいてきたが、5月は何を詰めておけばよいのか」「春のリーグ戦の最終局面にいる学生に、どこまで連絡してよいのか迷う」。体育会採用に取り組む担当者の方は、選考開始の直前にこうした迷いを持つことがあるのではないでしょうか。

結論から言うと、5月の実務は「6月1日に向けた社内準備の確認」「春季シーズン終盤の学生の予定への配慮」「5月末の公開調査から見える学生の状況の把握」「内定者フォローの継続」の4つに整理できます。この記事では、4月に体育会採用の企業がやることの続きとして、5月に絞った実務アクションをまとめます。年間の流れ全体は体育会採用カレンダーで俯瞰できます。

結論|5月は「6月1日前の準備」「予定への配慮」「状況の把握」「内定者フォロー」の4つに整理できる

5月に企業が動かす主な実務は、次の4つです。

  1. 政府の要請で採用選考の開始とされる6月1日を前に、選考の設計・担当者・評価の観点を最終確認する
  2. 春季リーグ戦の終盤や引退の区切りなど、学生側の予定に合わせて日程・形式を設計する
  3. 5月末の公開調査から、学生の就職活動の状況を把握し、自社の計画と照らし合わせる
  4. 内定者フォローを続け、辞退の兆しを確認する

5月は、要請の日程の節目(3月1日・6月1日・10月1日)のうち、6月1日の直前にあたる月です。実際の動きは企業ごとに異なるため、優先順位は自社の採用計画に合わせてつけることが現実的です。

5月は何が起きる月か|選考開始の6月1日の直前で、春季シーズンが終盤を迎える部もある

内閣官房が公表している2027(令和9)年度卒業・修了予定者等への要請では、広報活動の開始は「卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降」、採用選考活動の開始は「卒業・修了年度の6月1日以降」、正式な内定日は「卒業・修了年度の10月1日以降」とされています(内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」、2026年10月確認)。次に5月を迎えるのは2028年卒の学生向けの時期ですので、28卒向けの要請は公表され次第、最新の内容を確認してください。

同じ要請には、春休み以降に実施される2週間以上の専門活用型インターンシップを通じて高度な専門知識を示した学生について、6月より前から採用選考のプロセスに移行できるとする特例も記載されています。これは特定の類型の取り扱いで、すべてのインターンや面談に当てはまるものではありません。自社の取り組みがどこに当たるかは、要請の本文と、体育会学生向けインターンシップの設計チェックリストで確認してください。

学生側の動きを見ると、競技によっては春のリーグ戦が5月から6月上旬にかけて終盤を迎えます。2026年度の日程では、東京六大学野球の春季リーグ戦は4月11日(土)〜6月1日(月)、関東大学サッカーリーグ戦1部の前期は4月4日(土)〜6月7日(日)でした(東京六大学野球連盟「2026年度 春季リーグ戦 日程」、関東大学サッカー連盟 日程表。いずれも大学リーグ戦の開催時期一覧で2026年10月に確認した内容です)。春にリーグ戦があるかどうか、いつ終わるかは競技によって大きく異なるため、対象とする競技ごとに確認することが前提です。

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6月1日を前にした社内準備|選考の設計・担当者・評価の観点を最終確認する

選考の開始日を前に、社内で確認しておきたい項目を整理します。ここで挙げるのは、確認しておくと当日の運営が安定しやすい項目で、すべてを網羅する必要があるわけではありません。

確認項目 確認する内容
選考の流れ 何回の接点で、どの順番で、だれが見るのか。学生に説明できる形になっているか
担当者の分担 窓口対応、日程調整、面接の実施、記録の整理をだれが担うか
評価の観点 面接官が複数いる場合に、見る観点がそろっているか
日程の候補 平日夜・休日・オンラインなど、学生が選べる枠があるか
公正な採用選考 応募者の適性・能力と関係のない事項を聞かない運用を共有しているか

評価の観点をそろえる方法としては、体育会学生の面接評価シートのテンプレートや、面接官の評価ばらつきを防ぐチェックリストがあります。接点の持ち方の例として、建設(専門工事)の株式会社スエヒロ工業は、現場見学を必ず実施し、仕事のイメージをつかんでもらってから面接に進める採用手法をとっていると述べています(人事の声、2026年2月9日)。また、マーケティング・ITベンチャーの株式会社L&E Groupは、内定までにインターンや面接で7〜8回以上の接点を持ち、志望者の適性を見極めていると述べています(人事の声、2025年9月19日)。いずれも一社の取り組みで、同じ手法がどの企業にも合うとは限りません。

公開調査で見る5月末の学生の状況|内々定率と活動継続の数字をどう読むか

5月末の学生の状況を知る手がかりとして、マイナビの調査があります。マイナビが2027年卒の大学生・大学院生を対象に行った調査(実施期間2026年5月25日〜31日、有効回答1,841名)では、5月末の内々定率は76.4%(前年同月比−0.7ポイント)で、4月末から5.5ポイント上昇したと報告されています。文系は73.2%、理系は81.3%です。活動継続率は50.4%(前年同月比−0.2ポイント)で、内々定を保有しながら活動を続けている学生の割合は26.8%、内々定を得ていない学生のうち不安を感じている割合は83.6%とされています(マイナビキャリアリサーチLab「2027年卒 大学生キャリア意向調査5月」)。

この数字を読むときは、次の3点に注意が必要です。

  • 調査の対象はマイナビの調査に回答した学生全体で、体育会の学生に限った数字ではありません
  • 2027年卒(2026年5月時点)の数字であり、28卒の学生に同じ水準が当てはまるとは限りません
  • 内々定率が高くても、活動継続率が50.4%、内々定保有者でも26.8%が活動を続けているという報告は、5月末の時点でも就職活動を続けている学生が一定数いることを示しています。「内々定率が高い=母集団がいなくなる」とは読めません

体育会の学生に限った5月末の内々定率や動き出しの時期を示す公開データは、今回確認できた範囲では見当たりませんでした。体育会の学生が全体と同じ動きをするとは断定できないため、自社の採用で実際に接した学生の動きと併せて見ることが現実的です。就活解禁前後の動き出しについては、就活解禁前の動き出し時期データで公開調査を整理しています。

春季シーズン終盤の学生の予定に配慮する

5月は、春のリーグ戦が終盤を迎えたり、最後の大会に向けた準備に入ったりする部があります。取材記事からは、次のような例が確認できます。いずれも一つの部の取り組みで、他の部や大学にそのまま当てはまるとは限りません。

  • ある国立大学の卓球部は、4年生が同年5月の春季リーグをもって引退したと話しています(取材記事、2026年6月15日)。春のリーグ戦が区切りとなる部では、5月は引退と就職活動への切り替えが重なる時期にあたる可能性があります。
  • ある国立大学の男子ラクロス部は、就職活動を「自己実現」の一部と捉え、必要に応じて部活動を休むことを認めていると話しています(取材記事、2026年5月27日)。部の方針によって、学生が就職活動の予定を組みやすいかどうかは変わる場合があります。

2つの例からは、部の大会日程や方針によって、学生が就職活動の予定を組みやすいかどうかが変わりうることがうかがえます。採用側は、次のような配慮を検討できます。

  • 説明会や面談の日程を複数用意し、平日夜や休日、オンラインなど学生が選べる形にする
  • 連絡は用件を短くまとめ、返信期限を急がせない
  • 最終戦の前後は日程調整に時間がかかる場合があるため、候補を多めに出して学生側に選んでもらう
  • 大学や部が連絡方法を定めている場合は、それに従う

競技ごとの引退時期の違いは、体育会の引退時期を競技別に整理した記事で確認できます。なお、スポーツと職場では評価の仕組みや人間関係の継続期間が異なるため、部活動での経験をそのまま職場での活躍に結びつけず、自社で何が求められるかを基準に見極める視点は欠かせません。

内定者フォローを続ける

すでに内々定や内定を出している学生がいる場合、5月も接点を保つことが課題になります。先ほどの調査では、内々定を保有しながら就職活動を続けている学生が26.8%と報告されており、内々定を得た学生の中にも他の企業の選考を続けている人がいると読み取れます。

連絡が途切れると、学生が入社後のイメージをつかみにくくなる可能性があります。ただし、頻繁な連絡や承諾の催促は、学生に負担や圧力と受け取られる可能性があるため、注意が必要です。

観点 確認する内容
接点の頻度 連絡が途切れていないか。競技や学業の予定に合わせて間隔を調整できているか
接点の中身 一方的な案内になっていないか。学生の疑問や不安を聞く機会があるか
他社選考への姿勢 他社の選考を続けることを前提に、承諾の催促になっていないか
辞退の兆し 返信の遅れや連絡頻度の変化に気づける体制があるか

入社前の不安を和らげる工夫として、株式会社SPIN TECHNOLOGYは、入社前に厳しさも含めてすべて伝え、ギャップをなくすことで離職率の低さにつなげていると述べています(人事の声、2026年1月27日)。設計の詳細は体育会学生の内定者フォロー設計に、辞退の兆しの見方は内定辞退防止チェックリストにまとめています。応募や辞退が思うように動かない場合の見直し方は、体育会採用がうまくいかないときの見直しポイントで工程ごとに整理しています。

5月の実務チェックリスト

最後に、5月の前半と後半に分けた確認項目をまとめます。

時期 確認項目
5月前半 選考の流れ・担当者の分担・評価の観点が社内で共有されているかの確認
5月前半 対象とする競技の春季リーグ戦の最終日程を、連盟の公式発表で確認
5月後半 学生の最終戦・予定に配慮した枠(平日夜・休日・オンライン)の追加の検討
5月後半 選考開始時期(要請の日程は6月1日以降)に対する、自社の方針と案内文の再確認
5月中 内定者フォローの頻度と中身の確認、他社選考を続ける学生への姿勢の再確認

まとめ|5月は「選考開始前に準備を整え、学生の予定を踏まえて運営する」月

5月は、選考開始の6月1日の直前にあたる月で、春のシーズンが終盤を迎える競技もあり、学生の予定は競技や大学によって大きく異なります。選考の流れ・担当・評価の観点を事前に整え、日程の選択肢と負担の軽さを意識して運営し、公開調査から学生全体の動きを把握しつつ体育会の学生にそのまま当てはめない、内定者には承諾を急かさず途切れない接点を保つ、という考え方があります。優先順位は自社の採用計画に合わせてつけることが現実的です。

5月の進め方や6月1日に向けた準備に迷う場合は、30〜45分のオンラインでの採用のご相談をご利用ください。

参考文献

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FAQ

よくある質問

Q1
5月のうちに選考を始めてもよいのでしょうか。
政府の要請では、採用選考活動の開始は卒業・修了年度の6月1日以降とされています。ただし、要請は法律ではなく、実際の選考時期は企業ごとに分かれています。5月に学生と会う場合は、案内文で「企業理解のための説明・面談」なのか「選考」なのかを明記し、学生が誤解しないようにすることが大切です。自社の方針を決めたうえで、内閣官房が公表する要請の最新内容を確認してください。
Q2
春季リーグ戦が終わる時期の学生には、連絡を控えたほうがよいですか。
一律に控えるべきとは言い切れません。春のリーグ戦の終了時期や、その後の活動は、競技・大学・部によって異なります。最終戦の直前は連絡の優先度が学生側で低くなる場合も考えられるため、返信期限を急がせない、日程の候補を複数用意する、オンラインでも参加できる形にする、といった配慮が考えられます。大学や部が連絡方法を定めている場合は、それに従ってください。
Q3
5月末時点で、内々定を得ている学生はどのくらいいますか。
公開調査では、2027年卒(2026年5月時点)の学生の5月末の内々定率は76.4%と報告されています(マイナビ調査、実施2026年5月25日〜31日、有効回答1,841名)。文系は73.2%、理系は81.3%です。これは学生全体の調査であり、体育会学生に限った数字ではありません。また、28卒の学生に同じ水準が当てはまるとは限らないため、自社の計画を考える際の一つの参考値として扱うのが適切です。

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