「10月に内定通知は終えたが、11月は何を優先すべきか分からない」「大会が終わった学生に、どのタイミングで連絡すればよいか迷う」——体育会採用の担当者からは、10月の内定実務が一段落した後の11月特有の悩みがよく聞かれます。本記事は、10月に体育会採用の企業がやることで扱った内定通知の実務や、体育会採用カレンダーで扱った年間俯瞰とは別に、11月単月に絞って企業が動かすべき実務アクションを整理します。
結論:11月にやるべきことは「フォローの定着」「引退直後の学生への接点強化」「年末イベントの準備」「次年度予算の具体化」の4つ
11月に企業が動かすべきことは、大きく4つに整理できます。1つ目は、10月に始動した内定者フォローを一過性で終わらせず、継続的な取り組みとして定着させることです。2つ目は、複数の競技で秋のシーズンが区切りを迎え、引退直後の学生と接点を持ちやすくなるこの時期を活かすことです。3つ目は、年末の内定者懇親会・忘年会といったイベントを、日程が集中しやすい12月に向けて11月中に設計しておくことです。4つ目は、次年度の採用予算・計画を具体化する動きを進めることです。この4つを並行して進めることが、11月の体育会採用担当者に求められる実務です。
なぜ11月は複数競技の引退シーズンと重なるのか
政府が卒業年度ごとに公表している就職・採用活動日程ルールでは、正式な内定日は卒業・修了年度の10月1日以降とされていますが(内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」)、11月に固有の日程が新たに示されているわけではありません。11月の実務は、10月に迎えた内定日を起点に、企業が自主的に設計するフォロー・イベント・次年度準備が中心になります。もう1つの理由は、秋のリーグ戦・大会がこの時期に集中して終わりを迎える競技が複数あることです。取材記事の記述によれば、あるアメリカンフットボール部では「毎年11月の大会を一区切りとして4年生が引退する」とされており(参考: 取材記事)、あるよさこいサークルでも「3年生の11月に引退する」ことが取材記事に記述されています(参考: 取材記事)。また、あるストリートダンスサークル(インカレ)の取材記事では「11月以降には冬の内部イベントや引退公演など」が実施される旨が記述されています(参考: 取材記事)。これらは取材記事に記述があった個別の例であり、競技全体に共通する時期を示すものではありませんが、複数の競技で11月に引退・区切りが集中しやすいことが分かります。内定者の中に該当する学生がいる場合、10月まで大会中心だった生活が11月を境に大きく変わる可能性があることを踏まえて接点を設計する必要があります。
11月にやることチェックリスト
11月前半・後半に分けて、主なアクションを整理しました。
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 11月前半 | 内定者フォローの実施状況の棚卸し | 10月に設計した頻度・形式が実態に合っているか確認する |
| 11月前半 | 引退予定の内定者リストアップ | 大会・シーズンの終了時期を個別にヒアリングしておく |
| 11月後半 | 引退直後の学生への個別連絡 | ねぎらいを添えつつ、急かさない内容にする |
| 11月後半 | 年末の内定者懇親会・忘年会の企画 | 日程候補を複数用意し、12月の早い段階で案内する |
| 11月後半 | 次年度採用実績・課題の整理 | 数値(母集団数・選考通過率など)と定性的な振り返りの両方をまとめる |
| 11月後半 | 次年度採用予算の折衝準備 | 年末から年明けの予算編成プロセスに向けて資料化する |
それぞれの項目について、次の見出しから詳しく解説します。
内定者フォローを「定着期」に進める
10月に始動したフォローは、11月に入ると一過性のイベントで終わらせず、継続的な取り組みとして定着させる段階に入ります。内定者フォローの設計そのものについては体育会学生の内定者フォローで詳しく解説していますが、11月時点でまず確認したいのは、10月に決めた接点の頻度・形式が実態に合っているかどうかです。競技を継続している内定者が多い場合、10月時点の計画どおりに接点を持てていないケースも出てきます。その場合は頻度や手段を見直し、大会シーズン中の内定者には控えめに、すでに引退した内定者にはやや厚めにといった強弱をつけることが現実的です。あわせて、連絡が取りづらい時期が続いている内定者については、内定辞退防止チェックリストの観点で、辞退のリスクが高まっていないかを定期的に確認しておくことをおすすめします。
秋季大会・引退直後の学生への接点強化
11月は、前述のとおり複数の競技で秋のシーズンが区切りを迎える時期です。大会や公演が終わった直後の学生は、達成感がある一方で、次に何をすればよいか分からない空白期間に入りやすい時期でもあります。この時期に急に就職活動を促すような連絡をすると、かえって負担に感じられる可能性があるため、まずはねぎらいの言葉を添えたうえで、今後のスケジュールを改めて共有する形が受け止めやすい傾向があります。連絡のタイミングについても、大会結果が出た直後ではなく数日程度は間を置くなど、学生の状況に配慮した設計が望ましいといえます。引退時期は競技やチームによって幅があるため、一律のタイミングで一斉連絡をするのではなく、内定者ごとにヒアリングした時期に合わせて個別に接点を持つ運用が現実的です。
年末の内定者懇親会・忘年会を11月中に設計する
12月は年末で日程が集中しやすく、内定者懇親会や忘年会の企画を12月に入ってから動かし始めると、候補日の調整が難航しやすくなります。11月のうちに開催時期・形式(対面かオンラインか)の骨子を固め、候補日を複数用意したうえで案内を始めておくと、内定者側も予定を組みやすくなります。体育会学生の場合、11月に引退したばかりの学生と、まだ競技を継続中の学生が混在することもあるため、1つの日程に一本化するのではなく、複数候補日やオンライン参加の選択肢を用意しておくことが望ましいといえます。
次年度の採用予算・計画を具体化する
10月に骨子レベルで検討を始めた次年度の採用計画は、11月に入ると具体化のフェーズに移ります。多くの企業では年末から年明けにかけて予算編成のプロセスが動くため、11月のうちに今年度の母集団形成の実績・選考通過率・辞退率などの数値と、うまくいった点・課題だった点の定性的な振り返りをあわせて整理しておくと、予算折衝や計画の具体化がスムーズになりやすくなります。体育会採用に絞った振り返りとしては、対象とした競技・採用手法の組み合わせが狙いどおりに機能したかを確認し、次年度に継続する部分と見直す部分を切り分けておくことが、年明け以降の広報活動開始に向けた準備を効率化するポイントになります。
年間カレンダーの中での11月の位置づけ
本記事は11月に絞った実務アクションを扱いましたが、体育会採用は年間を通じた設計が前提になります。4月から翌3月までの月別アクションを俯瞰したい場合は、体育会採用カレンダーもあわせてご覧ください。年間の流れの中に11月を位置づけると、内定者フォローの定着・引退直後の学生対応・年末イベントの準備・次年度予算の具体化という4つのタスクが、なぜこの時期に集中するのかを理解しやすくなります。
まとめ:11月は「フォローの定着」「引退直後の対応」「年末準備」「予算の具体化」を並行して進める月
11月は、10月に始動した内定者フォローを定着させつつ、複数の競技で引退シーズンが区切りを迎える学生への接点強化、年末イベントの準備、次年度予算の具体化が同時に求められる月です。引退時期は競技やチームによって幅があるため、一律のタイミングで対応するのではなく、内定者ごとの状況に合わせて接点の頻度・内容を調整することが、この時期を乗り切るポイントになります。
11月の体育会採用対応や、次年度に向けた採用計画の具体化についてご相談がある場合は、採用のご相談からお気軽にお問い合わせください。
参考文献
- 内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_katsudou_yousei/2027nendosotu/index.html