「10月は内定日と聞くが、体育会学生の採用担当として具体的に何をすればよいのか分からない」「秋の大会シーズンと重なり、学生への連絡タイミングに悩んでいる」——体育会採用の担当者からは、10月特有の悩みがよく聞かれます。10月は、政府が示す就職・採用活動日程ルール上の「正式な内定日」にあたると同時に、多くの競技で秋季大会・リーグ戦が佳境を迎える時期でもあり、他の月とは異なる対応が求められます。本記事は、当サイトの体育会採用カレンダーで扱った年間俯瞰とは別に、10月単月に絞って、企業が実務として動かすべきアクションを整理します。
結論:10月にやるべきことは「内定通知の実務」「内定者フォローの本格化」「秋季シーズンへの配慮」の3つ
10月に企業が動かすべきことは、大きく3つに整理できます。1つ目は、正式な内定日を迎えるにあたっての内定通知・条件明示といった実務対応です。2つ目は、内定者フォローを本格的に始動させることです。3つ目は、多くの競技が秋季大会・リーグ戦のシーズンを迎え、学生と連絡が取りづらくなる時期であることを踏まえた配慮です。この3つを並行して進めることが、10月の体育会採用担当者に求められる実務です。
なぜ10月が体育会採用の転換点になるのか
10月が転換点になる理由は、2つの要因が重なるためです。1つは、政府が卒業年度ごとに公表している就職・採用活動日程ルールで、正式な内定日が卒業・修了年度の10月1日以降とされていることです(内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」)。もう1つは、サッカー・準硬式野球など複数の競技で、秋季大会・リーグ戦がこの時期に集中し、選手が引退や代替わりの区切りを迎えることです。内定という企業側の重要な節目と、競技の区切りという学生側の重要な節目が同じ時期に重なるため、10月は他の月以上に丁寧な対応が求められます。
10月にやることチェックリスト
10月前半・後半に分けて、主なアクションを整理しました。
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 10月前半 | 内定通知書・労働条件通知の準備と送付 | 対象年度の日程ルールに沿って10月1日以降に実施する |
| 10月前半 | 内定承諾の受領・管理 | 承諾書の様式・提出方法を事前に整えておく |
| 10月前半 | 内定者への一次連絡(電話・メール等) | 大会・合宿と重なり連絡が取りづらい時期であることを踏まえ、複数の連絡手段を用意する |
| 10月後半 | 内定者フォロー計画の始動 | 定期的な接点(面談・懇親会等)の頻度・形式を設計する |
| 10月後半 | 秋季大会・引退時期を踏まえた接点調整 | 対象学生の大会日程を確認し、連絡時期を調整する |
| 10月後半 | 次年度採用計画の骨子検討 | 今年度の振り返りを踏まえ、早めに検討を始める |
それぞれの項目について、次の見出しから詳しく解説します。
内定通知の実務で押さえておきたいポイント
10月前半は、正式な内定日を迎えるにあたっての実務対応が中心になります。内定通知書や労働条件通知の様式は事前に準備しておき、対象年度の日程ルールに沿って10月1日以降に送付します。あわせて、内定承諾書の提出方法や期限をあらかじめ明確にしておくことで、内定者・企業双方の手続きがスムーズになります。体育会学生の場合、大会や合宿と重なり、通知の受け取りや返信に時間がかかることがあるため、メール・電話・オンライン面談など複数の連絡手段を用意しておくと、連絡が取れないことによる不安を減らしやすくなります。
内定者フォローを本格化させる
正式な内定日を迎えた後は、内定者フォローを本格的に始動させる時期になります。内定者フォローの設計そのものについては、体育会学生の内定者フォロー設計で詳しく解説していますが、10月時点でまず着手したいのは、定期的な接点の頻度と形式を決めることです。競技を継続する内定者も多いため、対面での懇親会だけでなく、オンライン面談や個別の近況確認など、複数の形式を組み合わせておくと、大会シーズンとの兼ね合いを調整しやすくなります。あわせて、内定辞退のリスクを減らす観点からは、内定辞退を防ぐための確認項目も参考になります。
秋季大会・引退時期と重なる学生への配慮
10月は、複数の競技で大会シーズンが佳境を迎える時期でもあります。取材記事の記述によれば、サッカーでは4年生が9〜10月のリーグ後期戦を区切りに引退する例が報告されており(参考: 取材記事)、準硬式野球では秋季大会を経て11月の引退試合を最後に引退する例が報告されています(参考: 取材記事)。また、ラクロス(男子)では7〜10月のリーグ戦を経て11月に引退した例もあります(参考: 取材記事)。これらは取材記事に記述があった個別の例であり、競技全体に共通する時期を示すものではありませんが、10月は複数の競技で大会・引退が重なりやすい時期であることが分かります。この時期は、連絡の遅さを志望度の低さと解釈せず、大会後のタイミングを見計らって接点を持つ姿勢が重要です。
10月時点で動かしておきたい次年度への準備
内定通知とフォローに追われがちな10月ですが、次年度の採用計画の骨子を検討し始めるにもよい時期です。今年度の母集団形成・選考プロセスを振り返り、うまくいった点・課題だった点を整理しておくと、年明け以降の広報活動開始に向けた準備がスムーズになります。特に体育会採用では、対象とする競技や採用手法の組み合わせを見直すタイミングとして、10月中に振り返りの時間を確保しておくことをおすすめします。
年間カレンダーの中での10月の位置づけ
本記事は10月に絞った実務アクションを扱いましたが、体育会採用は年間を通じた設計が前提になります。4月から翌3月までの月別アクションを俯瞰したい場合は、体育会採用カレンダーもあわせてご覧ください。年間の流れの中に10月を位置づけると、内定通知・フォロー・大会シーズンへの配慮という3つのタスクが、なぜこの時期に集中するのかを理解しやすくなります。
まとめ:10月は「内定実務」「フォロー始動」「大会シーズンへの配慮」を同時に進める月
10月は、正式な内定日を迎える実務対応と、内定者フォローの本格化、そして秋季大会・引退シーズンを迎える学生への配慮が同時に求められる、体育会採用における転換点の月です。3つのタスクを並行して進めつつ、連絡が取りづらい時期であることを前提にスケジュールに余裕を持たせることが、この時期を乗り切るポイントになります。
10月の体育会採用対応や、次年度に向けた採用計画の設計についてご相談がある場合は、採用のご相談からお気軽にお問い合わせください。
参考文献
- 内閣官房「2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請」 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_katsudou_yousei/2027nendosotu/index.html