体育会学生向け説明会の集客|参加が集まらないときの原因と、時期・告知・形式の見直し方

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「体育会学生向けの説明会を開いたのに、申込も当日の参加も想定を大きく下回った」という悩みは、採用担当者から聞かれやすい課題の一つです。ただ、集客がうまくいかない原因は、告知の量だけとは限りません。体育会学生には練習・試合・遠征といった固有の事情があり、開催時期や形式がその事情と噛み合っていないと、告知を増やしても人が集まりにくくなる場合があります。この記事では、体育会学生向けの説明会の集客を、学生側の事情の把握、開催時期、告知経路、形式、参加後の接点という5つの観点で整理します。説明会を含む採用イベント全体の企画の考え方は体育会採用イベントの企画設計で扱っていますので、本記事では「人を集める」部分に絞って解説します。

結論:集客は「告知を増やす」前に、学生の動ける時間帯と接点の持ち方に合わせて設計し直すと見直しやすい

体育会学生向けの説明会の集客は、告知の回数を増やすより先に、「いつなら参加できるのか」「どの経路なら目に入るのか」「どの形式なら参加の負担が小さいのか」を学生の事情に合わせて見直すほうが、改善の手がかりをつかみやすくなります。ここで挙げる内容は、公開されている調査や取材記事から読み取れる傾向であり、どの施策でも集客が必ず増えるとは言えません。自社の申込数・参加数・参加後のエントリー数を記録しながら、1項目ずつ検証することを前提にお読みください。

学生側の事情を把握する:参加できない理由は「関心がない」だけではない

まず押さえたいのは、説明会に来ない理由が必ずしも志望度の低さではない点です。体育会学生を対象にした調査の例として、不動産テック企業が2018年に公表した調査があります。大学生208名(うち半数が体育会所属)を対象にしたもので、体育会学生が就職活動で困った点として「説明会に参加できなかった」が25.9%、「試合・合宿・練習などのために選考を辞退せざるを得なかった」が18.8%と報告されています(出典:リセマム「GA technologies、部活動と就活の両立を支援」2018年11月)。調査は2018年時点で、回答者数も限られ、企業が自社の施策のために実施したものです。現在の学生にそのまま当てはまると断定はできませんが、「参加したくても参加できない」層が存在しうることを示す一例として参考になります。

取材記事からも、時間の制約が読み取れます。ある国立大学のラクロス部の取材では、就職活動を自己実現の一部と捉え、必要に応じて部活動を休むことを認める運営方針が紹介されています(取材記事)。一方で、部の方針は一様ではないため、「休んで参加できる部」と「参加しにくい部」が混在していると考えておく必要があります。また、ある企業の人事は、体育会学生は部活動に打ち込むあまり就職活動の相談相手が少なく、孤立しがちだと感じていると話しています(株式会社TOKIUM 取材記事・取材日2025年12月18日)。説明会の情報そのものが、学生に届きにくい状況も想定できます。

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開催時期を見直す:引退時期は競技ごとに異なる

次に確認したいのが開催時期です。取材記事ベースでは、引退の区切りは競技や部によって大きく異なります。たとえば、ボートは9月のインカレ後、男子ラクロスは7〜10月のリーグ戦を経て11月、チアリーディングは12月の全日本選手権後に4年生が引退する例が紹介されています。卓球では5月の春季リーグで引退する例もあります(出典:ボート・男子ラクロス・チアリーディング・卓球)。これらは個別の部の例であり、同じ競技でも大学や部によって時期は変わります。

つまり、「体育会学生向け」と一括りにして1回だけ説明会を開く設計は、特定の競技にしか届かない可能性があります。ターゲットとする競技が決まっている場合は、その競技の大会日程を連盟の公式サイトなどで確認し、大会直前・遠征期間を避けて複数日程を設けるのが基本的な考え方です。競技ごとの大会日程と引退時期の対照は体育会の引退時期 競技別一覧に整理しています。年間を通じた接点の持ち方は体育会採用カレンダーも参考にしてください。

開催時期を考える際の確認項目は、次のとおりです。

確認項目 見直しのポイント
対象競技の大会日程 大会直前・遠征期間と重ならないか
引退の区切り 引退前の学生と引退後の学生で、案内の内容を分けるか
平日・土日・時間帯 練習の入りにくい枠を複数用意しているか
開催回数 1回で判断せず、複数回で申込傾向を比べているか

告知経路を見直す:学生が情報に触れる場所に置く

告知の経路は、媒体の数よりも「体育会学生の目に入る場所か」で考えると整理しやすくなります。調査上は、学生全体の就職活動に関する情報接点が多様化しています。マイナビの「2027年卒 大学生キャリア意向調査(中間総括)」(2025年10月5日〜14日実施、2027年3月卒業見込みの大学3年生・大学院1年生1,396名)では、キャリア形成活動に参加した学生は87.1%でした。内訳は、オープン・カンパニー&キャリア教育等が71.8%、仕事体験が57.0%、5日間以上のインターンシップが27.7%と報告されています(出典:マイナビキャリアリサーチLab)。この調査は体育会学生に限ったものではありませんが、学生が就職活動の早い段階から複数の企業接点を持っている状況がうかがえます。説明会の案内が単発の告知だけでは埋もれやすい、という前提で設計するのが現実的です。

体育会学生に届けやすい経路の候補は、次のとおりです。それぞれ費用や規約が異なるため、自社の目的と照らして選んでください。

  • 体育会特化型の求人サービスやイベント:登録している学生に、競技名や所属から絞って案内できる場合があります。手法の違いは体育会学生の採用方法7選で比較しています。
  • 大学のキャリアセンターや体育会の窓口:大学ごとに告知の受付ルールが異なります。事前の相談が前提になるため、時間に余裕を持って確認してください。
  • スカウト型のサービス:個別に案内できる一方で、文面や送る時期に工夫が必要です。進め方は体育会学生へのスカウト方法をご覧ください。
  • OB・OGのつながり:取材では、ラクロス部やサッカー部などが、OB・OGによる就活相談会や企業情報の共有を行っている例が紹介されています(ラクロス部・サッカー部)。自社のOB・OGがいる場合は、後輩への案内を依頼できないか検討する余地があります。ただし、依頼は本人の負担にならない範囲で行う必要があります。
  • SNS:運用の考え方は体育会採用のSNS活用で扱っています。

告知文面では、競技の話題に偏りすぎず、「何が分かる説明会なのか」「所要時間」「服装の指定の有無」「競技日程で参加が難しい場合の別日程」を明記しておくと、申込の心理的なハードルを下げやすくなります。

形式を見直す:会場に来てもらう以外の選択肢を持つ

形式の面では、オンライン・対面・出張型の使い分けが選択肢になります。前掲のマイナビの調査では、キャリア形成活動の参加形式について、「対面のみ」で参加した割合が前年から3.6ポイント増え、「WEBのみ」は2024年卒から26.5ポイント低下したと報告されています。対象は説明会そのものではなく、体育会学生に限った結果でもありませんが、学生全体ではオンライン一辺倒から対面を含む形へ戻りつつある様子がうかがえます。したがって、どちらか一方に決め打ちするのではなく、学生が参加しやすい形を選べるようにしておく考え方が現実的です。

体育会学生に限った場合は、次のような形式の工夫が考えられます。

  1. オンラインの短時間枠を用意する:練習前後の移動時間が取れない学生向けに、30分程度の説明枠を設ける方法です。
  2. 録画や資料を後から見られるようにする:試合や遠征で当日に参加できなかった学生にも、情報が届きます。個人情報や社内情報の扱いには注意が必要です。
  3. 現場見学を組み合わせる:ある建設系企業の取材では、現場見学を必ず実施し、仕事のイメージを掴んでもらってから面接に進める採用手法が紹介されています(株式会社スエヒロ工業 取材記事・取材日2026年2月9日)。説明会の代わりではなく、説明会の次の接点として位置づけると、参加者の動機づけにつながる場合があります。
  4. 学生の拠点に近い場所で開く:企業側が出向く形式は、移動の負担を減らしやすい反面、運営の工数が増えます。

参加後の接点を設計する:集客は「1回の説明会」で完結させない

集客の成果は、当日の人数だけでなく、その後の選考につながるかで評価する必要があります。マーケティング・IT系企業の取材では、内定までにインターンや面接で7〜8回以上の接点を持ち、志望者の適性を見極めているという話が出ています(株式会社L&E Group 取材記事・取材日2025年9月19日)。また、TOKIUMの取材では、体育会学生向けに夏は勉強会、冬に説明会を行う2段階のアプローチで関係を深めていると紹介されています(前掲の取材記事)。いずれも1社の取り組みであり、同じ設計が他社でも成果につながるとは限りませんが、「説明会を単発のイベントにせず、前後に接点を置く」考え方は参考になります。

説明会の前後に置く接点の例は、次のとおりです。

タイミング 接点の例 目的
説明会の前 勉強会、業界理解の短いセミナー 企業名と仕事内容の認知を高める
説明会の当日 質疑応答、若手社員との座談会 理解を深め、疑問を解消する
説明会の後 個別面談、現場見学、フォローメール 選考への移行を後押しする

参加者の情報(興味を持った点・質問内容)を当日のうちに整理しておくと、後続の連絡の精度を上げやすくなります。評価指標の考え方は採用KPI設計の基本を参照してください。申込数、参加率、参加後のエントリー率を分けて記録すると、「集客」「当日運営」「その後の接点」のどこに課題があるのかを切り分けられます。

よくある見落とし

  • 日程を1回だけ設定する:その日に大会や遠征が重なった競技の学生は、参加の機会自体を失います。
  • 「体育会歓迎」とだけ書く:学生側からは、どのような説明会なのかが伝わりにくくなります。
  • 参加者数だけで効果を判断する:少人数でも、その後の選考に進む割合が高い場合があります。
  • 性別や外見を基準にした呼びかけをする:公正な採用選考の観点から避け、競技・活動での行動や経験に基づいた案内にしてください。

まとめ:学生の動ける時間・目に入る場所・参加しやすい形に合わせて、1項目ずつ検証する

体育会学生向けの説明会の集客は、学生の事情を踏まえた開催時期、届く告知経路、参加しやすい形式、参加後の接点の4つを順に見直すと、課題を切り分けやすくなります。一度に全部を変えるのではなく、申込数・参加数・参加後のエントリー数を記録しながら、1項目ずつ検証することが現実的です。体育会採用の設計や母集団形成についてご相談がある場合は、採用のご相談から、まずはお気軽にお問い合わせください。

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FAQ

よくある質問

Q1
体育会学生向けの説明会は、平日夜と土日のどちらに開催すればよいですか。
どちらが適しているかは、競技や部の練習スケジュールによって異なるため、一律には言えません。練習が平日夕方から夜に入る部もあれば、土日が試合や遠征にあたる部もあります。1回で決めきらず、平日夜・土日・オンラインなど複数の枠を用意し、参加者の申込状況から自社に合う枠を見つけていく進め方が現実的です。
Q2
参加者が少ないとき、説明会そのものをやめたほうがよいですか。
人数だけで判断することはおすすめしません。参加者が少なくても、その後の選考エントリーや面談につながっているかを確認する必要があります。少人数でも接点の質が高い場合があるため、参加者数に加えて、参加後の選考への移行状況もあわせて見たうえで、継続・形式変更・縮小を判断してください。
Q3
部活動に直接連絡して集客してもよいですか。
学生や部への連絡方法は、大学や部、連盟のルールによって扱いが異なる場合があります。企業側が一方的に多数の部へ送るよりも、大学のキャリアセンターや就職イベント、学生が登録しているサービスなど、正規の経路を中心に検討することをおすすめします。不明な点は、事前に大学側へ確認してください。

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