「コンサルは年収が高いと聞くけれど、自分が転職したらどのくらいになるのだろう」「体育会での経験は、コンサルの年収にどう影響するのだろう」。20代で異業種のコンサルタント職への転職を考え始めると、こうした疑問が浮かびやすくなります。
結論から言うと、dodaの公開データでは、コンサルティングファーム等を含む専門職の平均年収は、全年齢で619万円、20代で515万円と、20代全体の365万円を上回る水準にあります。ただし、その数字は「誰を集計したか」「どの職種区分か」「どの年齢か」で読み方が変わります。また、体育会出身者に限ったコンサルの年収統計は、確認した範囲では見当たりませんでした。この記事では、公開データを並べたうえで、数字の読み方と、年収以外に確認したい項目を整理します。転職を勧めるものではなく、判断材料をそろえることを目的としています。
結論:専門職の年収は高めだが、数字は「対象」と「内訳」を確認して読む
dodaのデータでは、専門職(コンサルティングファーム等)は、職種区分の中でも平均年収が高い水準にあります。一方で、これは「dodaに登録した人の平均」であり、コンサルに転職した人の初年度の年収をそのまま示すものではありません。また、この区分はdodaでは「専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)」とされており、コンサルタント以外の専門職も含まれるため、「専門職の平均=コンサルの平均」とは読めません。
今回確認した数字を、対象別にまとめると次のとおりです。
| 区分 |
平均年収 |
| 専門職(コンサルティングファーム等)・全年齢 |
619万円 |
| 専門職(コンサルティングファーム等)・20代 |
515万円 |
| 20代全体 |
365万円 |
(出典:doda「平均年収ランキング」「年齢別の平均年収」。調査期間は2024年9月〜2025年8月、dodaに登録した20〜65歳の正社員が対象で有効回答は約60万件。編集部が出典から作成)
doda「平均年収ランキング(職種別)」とdoda「年齢別の平均年収」は公開されているので、自分の年齢に近い数字を確認してみてください。
20代の数字で見る|専門職は20代全体との差が約150万円ある
20代で専門職に絞ると平均は515万円で、20代全体の365万円との差は150万円です。年齢別の公開データでも、20代の職種別では専門職(コンサルティングファーム等)が最も高い水準として示されています。
ただし、この数字をそのまま「未経験で入った20代の初年度の年収」と読むのは避けたほうがよいでしょう。理由は3つあります。
- 登録者の平均であり、新規に転職した人の入社時の年収ではない
- dodaの年齢別データでは、20代全体の平均年収は年齢が上がるにつれて高くなっており、20代後半の数字が平均を押し上げている可能性がある
- 専門職区分には、すでに専門資格や実務経験を持つ人も含まれている可能性がある(区分の内訳別の年齢データは確認できませんでした)
つまり、「20代のコンサルは高い」と受け取るより、「専門職の区分は20代でも全体の平均より高い水準にあるが、自分が入社する場合の金額とは別に確認する必要がある」と読むのが妥当です。20代全体の年収データは、20代の転職、平均年収データを整理でも解説しています。
コンサルの中でも幅がある|職種によって水準が異なる
「コンサル」とひとくくりにしても、領域によって水準は異なります。dodaの全年齢のデータでは、職種別の平均年収は次のとおりでした。
| 職種 |
平均年収(全年齢) |
| 戦略/経営コンサルタント |
730万円 |
| 業務改革コンサルタント(BPR) |
738万円 |
| ITコンサルタント |
601万円 |
(出典:doda「平均年収ランキング(職種別)」。調査期間は2024年9月〜2025年8月)
業務改革と戦略・経営では約730万円台、ITでは601万円と、約130万円の差があります。この表も全年齢の平均であり、20代で未経験から入る場合に同じ水準が提示されるとは限りません。応募する領域(戦略、業務改革、IT)を絞ってから、その求人の条件を確認する方が現実的です。
業界ごとの水準を横並びで見たい場合は、体育会出身の転職、業界別平均年収ランキングも参考になります。
年収を読むときの注意|賞与・みなし労働・固定残業代
コンサルの求人では、年収の提示方法や労働時間の考え方が企業によって異なる場合があります。同じ「想定年収600万円」でも、内訳によって毎月の収入や働き方が変わります。
確認したい制度の一つが裁量労働制です。厚生労働省は、専門業務型と企画業務型の2種類を案内しています(出典:厚生労働省「裁量労働制」)。対象となる業務や手続きには条件があるため、求人票に記載があれば、どちらの型か、労働時間や休日・深夜の扱いがどうなるかを面接で確認しておくと安心です。すべてのコンサルの求人に裁量労働制が適用されるわけではなく、企業によって異なります。
また、固定残業代を採用する場合は、求人票などに基本給の額、固定残業代の時間数と金額等の計算方法、超過分を追加で支払う旨を明示することが求められています(出典:厚生労働省の固定残業代に関する求人表示の案内資料)。想定年収が高く見えても、基本給と固定残業代の内訳によって見え方は変わります。求人票を読むときの確認項目を、表にまとめました。
| 確認項目 |
確認する理由 |
確認の方法の例 |
| 基本給(固定残業代を除く) |
賞与や手当の計算の土台になる場合がある |
求人票の給与欄 |
| 賞与・インセンティブの扱い |
年収に含まれる割合で毎月の収入が変わる |
想定年収の内訳を質問する |
| 労働時間の考え方 |
みなし労働や固定残業代の有無で働き方が変わる場合がある |
求人票、面接での確認 |
| 評価の仕組み |
個人評価か、チーム評価かで働き方が変わる |
面接で評価指標を確認する |
| 昇給・昇格のモデル |
初年度だけでなく、数年後の水準も判断材料になる |
入社3年目・5年目の想定を聞く |
(編集部作成の確認項目。企業によって制度は異なります)
これらは一般的に確認しておきたい項目であり、すべての企業に当てはまるわけではありません。
一次情報:コンサル系企業の人事の声
ここでは、年収の金額ではなく、コンサル系の企業が体育会経験をどう語っているかを、編集部が取材した記事から紹介します。いずれの記事でも、編集部が確認した範囲では年収の具体的な金額には触れられていません。また、取材は主に新卒採用や若手育成の文脈を含んでおり、中途採用の年収の決まり方を説明したものではありません。それぞれ1社の見方であり、体育会出身者に共通する傾向とは言えません。
- 経営コンサルティング会社の人事担当者は、体育会での経験は、目標をやり切る力や簡単に諦めない姿勢として仕事に活きると語っています(出典:ツナカレメディア「人事の声」2026-03-03公開)。同じ取材では、成長が早い人はクライアント視点で考え、課題を先送りしない共通点があるとも話しています。
- 経営コンサル・CXO支援の会社の人事担当者は、メンバーは20代中心で、新しい案件にも自ら「やってみたい」と手を挙げる意欲を重視していると話しています(出典:同、2026-03-10公開)。
- コンサル・経営支援の会社の人事担当者は、採用ではスキルより「やってみたい」という内発的な興味関心の強さを重視していると話しています(出典:同、2026-05-11公開)。
これらから言えるのは、コンサル系の企業では、目標への向き合い方や意欲が評価の材料として語られる場合がある、という範囲です。それが年収の上乗せにつながるかどうかは、企業や評価制度によって異なります。
体育会経験は年収にどう関わるのか|統計では確認できない部分
体育会出身者に限ったコンサルの年収統計は、確認した公開資料の範囲では見当たりませんでした。そのため、「体育会出身だと年収が高くなる」とも「低くなる」とも言い切れません。
一般的には、年収は職種・領域・企業規模・経験年数・評価制度などで決まる部分が大きいと考えられます。体育会経験がある場合は、目標に向けてどう取り組んだか、結果が出ないときにどう改善したかを、具体的な行動で説明できるかどうかが、選考で見られる材料になる場合があります。その結果として提示される年収に影響するかどうかは、企業や職種によって異なります。
提示された年収に迷ったときの伝え方や準備の仕方は、転職の年収交渉、20代はどうやる?準備と伝え方の型で整理しています。年収以外の職種との比較をしたい場合は、営業職への転職、年収はどれくらい?も確認できます。
応募前に整理しておくチェックリスト
年収の数字を確認したあとは、自分の状況に当てはめる作業が必要です。次の項目を書き出してみると、判断しやすくなります。
- 現在の年収(額面)と、手取りで生活に必要な金額を把握したか
- 応募先の領域(戦略、業務改革、IT など)を絞ったか
- 想定年収の内訳(基本給・賞与・固定残業代など)を求人票で確認したか
- 労働時間の考え方(みなし労働・固定残業代の有無)を面接で質問する準備ができているか
- 年収以外に重視したい点(働き方、身につくスキル、勤務地など)を書き出したか
まとめ:公開データで水準をつかんだうえで、自分に近い数字と内訳を見る
dodaの公開データでは、専門職(コンサルティングファーム等)の平均年収は全年齢で619万円、20代で515万円と、20代全体の365万円を上回っていました。ただし、これは登録者の平均であり、区分にはコンサル以外の職種も含まれます。職種によっても幅があるため、一つの数字で判断せず、賞与や固定残業代の内訳、労働時間の考え方、評価制度などの条件とあわせて確認してください。
体育会経験が年収に直接どう反映されるかは、統計では確認できません。一方で、応募先の業務と自分の経験を具体的に結びつけて伝える準備は、選考のなかで役立つ可能性があります。
コンサルへの転職が自分に合っているか、年収以外の条件も含めて整理したい場合は、ツナカレキャリアの無料キャリア相談もご活用ください。なお、ツナカレキャリアを運営する株式会社PieceTimesは有料職業紹介事業の許可を申請中のため、現時点では求人のご紹介・斡旋は行っておらず、キャリアに関する情報提供・ご相談のみを承っています。