「求人票を出しているのに、なかなか応募が集まらない」——高卒採用に取り組む企業から、こうした相談を受けることがあります。原因はさまざまですが、求人票の書き方そのものに改善の余地があるケースは少なくありません。高卒採用の求人票は、大卒採用の求人原稿とは異なり、所定様式・所定ルールのもとで作成する必要があります。この記事では、高卒採用の求人票を書くうえで押さえておきたいポイントを整理します。

結論:高卒求人票は「所定様式を守りつつ、高校生・保護者に伝わる言葉で具体的に書く」ことが基本

高卒採用の求人票は、ハローワークの確認を受ける所定様式で作成する書類です。様式のルールを守ったうえで、読み手である高校生・保護者・進路指導の先生に伝わるよう、専門用語や社内用語を避け、仕事内容や職場の様子をできるだけ具体的に書くことが、応募を後押しする求人票の基本です。

高卒求人票はハローワークが確認する所定様式であることを理解する

高卒採用では、求人サイトに掲載する求人原稿とは違い、企業が用意した求人票をハローワークが確認したうえで学校に取り次ぐ仕組みになっています。求人票には所定の様式があり、記載する項目や表現について一定のルールが設けられています。まずはこの前提を理解したうえで、様式の枠内でどう分かりやすく・魅力的に書くかを考える必要があります。

求人票の主な記載項目

高卒求人票には、主に以下のような項目を記載します。実際の様式・項目はハローワークが指定するものに従ってください。

項目区分 記載する内容の例
会社概要 事業内容、所在地、従業員数など
募集職種・仕事内容 職種名、具体的な業務内容、配属先の様子
応募資格 学科・資格等の条件(不当な条件を設けないよう注意)
労働条件 就業時間、休日、賃金、諸手当、加入保険など
選考方法 選考日程、選考内容(面接・作文など)

高校生・保護者に伝わる書き方の3つのポイント

求人票を書く際は、次の3点を意識すると伝わりやすくなります。

1. 専門用語・業界用語を避け、誰が読んでも分かる言葉にする。高校生は社会人経験がなく、進路指導の先生や保護者も、必ずしも当該業界に詳しいとは限りません。社内でしか通じない略語や専門用語は避け、平易な言葉に置き換えることが基本です。

2. 仕事内容はできるだけ具体的に書く。「営業職」とだけ書くよりも、「どんな相手に」「何を」「どう提案する営業か」を書いたほうが、入社後の仕事のイメージが伝わりやすくなります。抽象的な表現だけの求人票は、生徒・保護者・先生のいずれにとっても判断材料が乏しく、応募の後押しになりにくい点に注意してください。

3. 保護者が読むことを前提にする。高卒者の就職は保護者の意向が意思決定に影響することが多く、求人票は生徒だけでなく保護者・先生も目を通します。労働条件や安全面への配慮が伝わる記載を心がけると、家庭内での後押しにつながりやすくなります。

指定校求人と公開求人の違い

高卒採用の求人票には、特定の学校に絞って提出する「指定校求人」と、ハローワーク・学校を通じて広く公開される「公開求人」があります。どちらを選ぶかによって、求人票を届けられる範囲や、学校との関係づくりの重要度が変わってきます。指定校を増やしていく段階の企業は、まず公開求人で実績を積みながら、学校訪問を通じて関係を築いた学校に対して指定校求人へ切り替えていく、という段階的な進め方が一般的です。学校訪問の進め方については高卒採用のスケジュールで触れている7月からの学校訪問開始のタイミングとあわせて検討してください。

求人票の記載と早期離職の関係

求人票の記載内容が実際の仕事内容や労働条件とかけ離れていると、入社後のギャップにつながり、早期離職の一因になりえます。厚生労働省の公表資料によると、新規高卒就職者の3年以内離職率は37.9%(令和4年3月卒、大卒は33.8%)となっており、入社前に持っていたイメージと実際の仕事内容とのギャップは、離職理由の一つとして挙げられやすい要素です。求人票の段階で仕事内容・労働条件をできる限り具体的かつ正確に記載しておくことは、応募数を増やすだけでなく、入社後の定着にもつながる取り組みだといえます。

このギャップは、求人票の記載が「不正確」というより「情報量が少なすぎる」ことで生まれる場合があります。たとえば就業時間や休日は正しく書かれていても、繁忙期の残業の傾向や、配属先によって業務内容にどの程度幅があるかまでは書かれていないことがあります。生徒本人だけでなく保護者も求人票を読んで入社後の生活をイメージするため、平均的な働き方だけでなく、変動しうる要素(繁忙期の有無、配属によるローテーションの可能性など)についても、書ける範囲で触れておくと、入社後に「聞いていた話と違う」という受け止め方をされにくくなります。

よくある求人票の書き方の失敗例

以下は特定の企業の実例ではなく、高卒求人票でありがちな失敗を一般化して整理したものです。自社の求人票を見直す際の参考にしてください。

失敗しやすい書き方 改善の方向性
職種名だけで仕事内容の説明がほとんどない 「誰に」「何を」「どのように」行う仕事かを一文で補足する
社内でしか通じない略語・専門用語をそのまま使う 高校生・保護者が読んでも分かる一般的な言葉に置き換える
労働条件の記載が最低限にとどまり、休日や研修制度の説明がない 休日の取り方や入社後の教育体制など、不安を減らす情報を補足する
求人票の内容と、学校訪問・職場見学で伝える内容に食い違いがある 求人票・学校訪問・職場見学で伝える情報を社内で事前にすり合わせておく

求人票の作成は誰が主担当になるとうまくいくか

求人票の作成を人事担当者だけで完結させてしまうと、現場の実態と記載内容にずれが生じやすくなります。仕事内容や配属先の様子は、実際にその部署で働く現場責任者のほうが具体的に把握しているためです。求人票の作成にあたっては、人事担当者が様式のルールや全体の体裁を整える役割を担い、仕事内容・労働条件の具体的な記述部分は現場責任者に確認・加筆してもらう、という分担にすると、実態に即した内容になりやすくなります。また、求人票の完成後に学校訪問を担当する営業・人事の担当者が内容を読み込んでおくことで、学校訪問時の説明と求人票の記載に食い違いが生じることも防ぎやすくなります。

求人票の内容を訂正したい場合

求人票の提出後に記載内容の誤りに気づいた場合や、労働条件を変更する必要が生じた場合は、ハローワークで訂正の手続きを行うことができます。ただし、生徒の応募・選考が進んだ段階での不利益な条件変更は、生徒・学校からの信頼を大きく損なうおそれがあります。訂正手続きに頼ることを前提にせず、提出前の段階で社内の関係部署(現場・人事・労務)が内容を十分にすり合わせておくことが望ましい進め方です。

まとめ:所定様式を守りながら、伝わる言葉と具体性で求人票を磨く

高卒採用の求人票は、ハローワークが確認する所定様式のもとで作成する書類です。様式のルールを守りながら、専門用語を避けて高校生・保護者にも伝わる言葉で書くこと、仕事内容をできるだけ具体的に記載することが、応募につながる求人票の基本です。求人票の記載内容は入社後の定着にも影響するため、実際の仕事内容とかけ離れた表現にならないよう、社内で十分に確認したうえで提出することをおすすめします。

求人票の内容や、指定校求人への切り替えタイミングについて具体的にご相談がある場合は、採用のご相談からお気軽にお問い合わせください。あわせて高卒採用スケジュール2027卒、内定後の定着施策については高卒採用やることリストもご覧ください。