「勧められる求人が、自分の希望とずれている」「連絡のペースや時間帯が合わない」「応募や決断を急かされている気がする」。転職エージェントを使い始めてから、こうした違和感を抱えたまま、誰に相談すればいいのか迷っている方に向けて書いています。
結論から言うと、「合わない」の原因を3つに切り分けると、伝え直す・担当を変える・併用する・別のルートで探す・いったん止める、の5つの打ち手から自分で選べるようになります。この記事は特定のサービスを勧めたり評価したりするものではなく、どのサービスを使うか、使わないかの意思決定は読者ご自身に委ねる内容です。
転職エージェントが「合わない」と感じたら、まず原因を3つに切り分ける
結論として、「合わない」の原因は、①担当者とのやり取り、②サービスの型と自分の段階のずれ、③自分の希望がまだ言葉になっていない、のどこにあるかで打ち手が変わります。
「合わない」は気持ちの名前であって、原因の名前ではありません。原因を一度分けて見ておくと、担当を変えても同じ違和感が続く、といった遠回りを避けられる場合があります。
| 症状の例 |
考えられる原因 |
最初に試す打ち手 |
| 勧められる求人がずれている |
①③ |
優先順位と、合わなかった求人の「どこが」を伝え直す |
| 連絡の頻度・時間帯が合わない |
① |
連絡手段・時間帯・頻度の希望を伝え直す |
| 応募や決断を急かされると感じる |
①③ |
応募ペースの希望を伝える。改善しなければ担当変更を検討 |
| 業界・職種の話が噛み合わない |
①② |
担当変更の申し出、または特化型を含めた併用を検討 |
| 何を相談すればいいかわからない |
③ |
希望条件を書き出す。迷いが大きければいったん止める |
複数の原因が重なっている場合もあります。表は「この症状ならこの原因」と決めつけるものではなく、見当をつけるための目安として使ってください。
③は、自分を責める話ではありません。希望がまだ言葉になっていない段階では、うまく伝えられないことがあります。②のサービスの型(総合型・特化型)の違いは転職エージェントの使い方|体育会出身者が失敗しない選び方で説明しているため、ここでは、自分の段階と型が合っていない場合がある、という点だけ押さえておいてください。
打ち手1:担当者に希望を「伝え直す」——担当を変える前に試せる方法
結論として、原因が③や①の一部にある場合は、担当を変える前に、優先順位と「こうしてほしい」を具体的に伝え直すことで、改善する場合があります。
希望がぼんやりしたまま面談が進むと、出てくる求人がずれる場合があります。その場合、ずれの原因は担当者だけとは限りません。伝え直すときは、次の4点を具体的に書くと、相手も調整しやすくなります。
- 譲れない条件と、優先度の低い条件
- 合わなかった求人の「どこが」合わなかったか(業務内容、勤務地、働き方など)
- 連絡手段・時間帯・頻度の希望
- 応募ペースの希望
部活で、コーチや先輩に「こういう練習がしたい」と具体的に伝えたことがある方は、その感覚が参考になるかもしれません。「もっと頑張ります」より「ここをこう変えたい」と伝えるほうが相手も動きやすい、という点は転職の相談でも同じように考えられます。
メール文例を示します。あくまで一例なので、ご自身の状況に合わせて書き換えてください。
件名:ご紹介いただく求人の方向性について
お世話になっております。〇〇です。これまで求人をご紹介いただき、ありがとうございます。
現時点での希望を整理し直しましたので、共有させてください。
・優先したい条件:〇〇(例:チームで目標を追う働き方)
・優先度は低い条件:〇〇(例:勤務地)
・先日ご紹介いただいた〇〇社は、業務内容が想定と異なると感じました。〇〇の部分を重視したいです。
・ご連絡は、平日の夜はメール、日中の電話は難しいため、事前にメールで日時をいただけると助かります。
・応募はこちらで検討したうえで進めたいため、しばらくは月に〇社程度のペースを希望します。
お手数ですが、上記を踏まえてご提案の方向性をご調整いただけますでしょうか。
責めるのではなく、事実と希望を並べるのがポイントです。このやり取りで改善すれば、担当者を変えずに済みます。
打ち手2:担当者の変更を申し出る——要望を具体的に書く
結論として、伝え直しても噛み合わない場合は、担当変更を申し出るという方法があります。受付の可否や窓口はサービスごとに異なるため、サービスのFAQや問い合わせ窓口で確認してから進めてください。
申し出る前に、次の点を確認しておくと進めやすくなります。
- 窓口:担当者本人以外に、問い合わせ窓口やサポート窓口が用意されているか
- 理由の書き方:担当者の人格や能力への批判ではなく、要望の形にする(「〇〇の業界に詳しい方を希望します」「連絡はメール中心を希望します」など)
- これまでに伝えた内容:打ち手1で伝え直した内容があれば、その日付と中身を添える
メール文例を示します。窓口が別にある場合は、その窓口宛てに送る形に書き換えてください。
件名:担当者の変更についてのご相談
お世話になっております。〇〇です。
現在の担当者の方には丁寧に対応いただいておりますが、私の希望する〇〇業界・〇〇職種について、より詳しい方にご相談したいと考えています。また、ご連絡はメール中心でお願いしたいと考えています。
つきましては、担当者の変更をお願いすることは可能でしょうか。可能な場合の手続きや、ご確認事項があれば教えてください。
変更に応じてもらえるかどうかは、サービスの方針や状況によって異なります。受け付けていない場合や、希望どおりにならない場合もあるため、変更が難しいと言われたときは、次の併用や別のルートを検討することになります。
打ち手3:複数のサービスを併用する——応募状況は自分で一元管理する
結論として、1社に絞らず併用すると比較の材料が増える一方、同じ求人に重複して応募しないよう、応募状況を自分で管理する必要があります。
併用すると、担当者ごとの提案の違いや連絡の仕方の違いを比べられます。一方で、複数の窓口から同じ企業の求人が紹介される場合があります。どの窓口経由で応募したかがわからなくなると、やり取りが混乱する場合があります。何社まで、という制度上の上限は一般にありませんが、サービスごとの規約を確認したうえで、自分で管理できる範囲にとどめるのが現実的です。
管理のために、次のような一覧を自分でつくっておくと整理しやすくなります。
| 項目 |
書く内容の例 |
| サービス名 |
どの窓口から紹介されたか |
| 担当者 |
連絡先、連絡手段の希望 |
| 紹介された企業名 |
紹介された日付も添える |
| 応募日・応募経路 |
どの窓口経由で応募したか |
| 選考状況 |
書類選考中、面接日程など |
| 次の連絡予定 |
返信期限、面接日など |
併用していることは、各担当者に伝えておくと調整しやすくなる場合があります。同じ企業を別の窓口から勧められたときに、応募の経路を相談しやすくなるためです。
打ち手4:エージェント以外のルートで探す——転職の方法は1つではない
結論として、公的な調査では、民間の職業紹介機関(いわゆるエージェント)は転職者が使った方法の1つにとどまり、求人サイトや縁故など複数のルートが使われています。
厚生労働省「令和7年転職者実態調査」の個人調査では、転職活動の方法(複数回答)が次のとおり示されています。
| 転職活動の方法(複数回答) |
転職者計 |
25〜29歳 |
| 求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等 |
45.1% |
53.5% |
| ハローワーク等の公的機関 |
29.6% |
24.8% |
| 縁故(知人、友人等) |
22.2% |
18.7% |
| 民間の職業紹介機関 |
20.9% |
27.7% |
| 企業のホームページ |
13.5% |
16.7% |
出典:厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」個人調査(令和8年9月25日公表、調査時点は令和7年10月1日)
この数字は、年齢や経歴を問わない転職者全体と25〜29歳の集計で、体育会出身者に限った数字ではありません。複数回答のため、合計は100%を超えます。また、この数字だけで「どの方法が良いか」は判断できません。25〜29歳では、民間の職業紹介機関を使った人の割合は27.7%と、転職者計より高くなっています。それでも、25〜29歳で最も高いのは求人サイト等の53.5%です。
つまり、「エージェントが合わない=転職活動が止まる」わけではなく、自分に合うルートを組み合わせるという考え方ができます。
公開されているOB/OGの話にも、ルートの違いがうかがえる例があります。ある大学のアメリカンフットボール部出身の方は、学生時代はアメフト中心の生活で十分な情報収集ができないまま就職したことを振り返り、「キャリアチェンジの際にはその経験を踏まえ、エージェントに積極的に相談しました。これが大きな転機となっています。」と話しています(出典:ツナカレOB/OGインタビュー、2026年5月18日公開)。
一方、あるサッカー部出身のOBは、これまでのキャリアを振り返り、履歴書を送って就職したケースよりも人の紹介で仕事につながったケースが多く、就職も転職も人との縁がきっかけだったと話しています(出典:ツナカレOB/OGインタビュー、2026年3月24日公開)。
どちらが正しいという話ではありません。ルートは人によって違い、誰にでも当てはまる話でもありません。人に相談するルートを広げたい方は、体育会出身の転職相談は誰にする?相談先の選び方と順番もあわせて参考にしてください。
打ち手5:いったん止める・公開情報で確かめる
結論として、転職するかどうか自体に迷いがあるなら、エージェントの利用をいったん止めて整理し直すのも選択肢の1つです。再開するときは、公開情報でもサービスを確かめられます。
止めるときは、次の2点を確認してください。
- 退会・利用停止の手続き:サービスごとに異なるため、案内ページや問い合わせ窓口で確認する
- 応募中の選考:進行中の選考がある場合は、先にその扱い(辞退するか、続けるか)を決める
迷いの中身が、エージェントという手段ではなく「転職するかどうか」そのものにある場合は、転職するべきかわからないときの判断軸で整理する方法を紹介しています。
再開するときや、利用中のサービスを確かめたいときは、公開情報も使えます。厚生労働省の「人材サービス総合サイト」では、職業紹介事業者ごとに、紹介により就職した者の数、そのうち6か月以内に離職した者の数、手数料に関する事項、返戻金制度の有無・内容などが掲載されています(宮城労働局「紹介会社を利用する場合の留意点」)。
この情報は、「合わないかも」という感覚を、公開されている情報でも確かめる材料になります。ただし、数字がどの水準なら良い・悪いといった判断の基準は、この記事では示しません。あくまで、自分で確かめる材料の1つとして使ってください。
まとめ:原因を切り分けてから、5つの打ち手を選ぶ
転職エージェントが合わないと感じたときは、まず原因を、①担当者とのやり取り、②サービスの型と自分の段階のずれ、③自分の希望がまだ言葉になっていない、の3つに切り分けます。そのうえで、伝え直す・担当を変える・併用する・別のルートで探す・いったん止める、の5つから選べます。
どれを選んでも、転職の意思決定を行うのは自分自身です。合わないと感じたことは、続けるか、変えるか、止めるかを考え直すきっかけとして扱って構いません。
希望条件や優先順位を書き出すところから始めたい方は転職準備チェックリスト&職務経歴書テンプレ(無料PDF)をダウンロードのうえご登録ください。ご相談内容に編集部からメールで回答します。なお、ツナカレキャリアを運営する株式会社PieceTimesは有料職業紹介事業の許可を申請中のため、現時点では求人のご紹介・斡旋は行っておらず、キャリアに関する情報提供・ご相談のみを承っています。