書類選考が続けて通らないとき、どこを見直せばよいか分からず手が止まってしまう場合があります。観点がないまま書き直すと、何が変わったのか手応えをつかみにくくなります。

結論から言うと、NG例は「体裁」「中身」「言葉と情報」「体育会経験の扱い」の4つに分けて点検すると見直しやすくなります。この記事は転職サイト等の公開情報と編集部の整理に基づいており、12項目は編集部が選んだものです。

NG例12選の選び方(編集部が選んだ基準)

12項目は、大手転職サイトや公的機関の公開情報で注意点とされている項目と、体育会出身者の書類で確認しておきたいと編集部が考えた項目を選んだものです。基準は次の3点です。

  1. 転職サイト・公的機関の公開情報で注意点として挙がっている、または編集部が提出前に確認しておきたいと判断した
  2. 書き換え方を具体的に示せる
  3. 中途採用の職務経歴書に関係する

このうちNG1〜3・5〜8は公開情報に記載がある項目です。NG4・9〜12は②③を満たす編集部の視点で選んだもので、統計や調査に基づくものではありません。新卒のESではなく、転職時の職務経歴書に限定します。

一覧で確認|NG例12選と書き換えの方向

まず早見表で全体を把握し、気になる行から詳細を読むと進めやすくなります。

No. 分類 NG例 書き換えの方向
1 体裁 枚数が多すぎる・少なすぎる 目安を参考に関連内容へ絞る
2 体裁 誤字脱字、法人格・資格名の略記 正式名称で書き、読み返す
3 体裁 年表のように並べるだけ 強みが伝わるよう編集する
4 中身 職務要約がない・長すぎる 冒頭に数行で全体像を示す
5 中身 「担当しました」で終わる 意図→実行→結果で書く
6 中身 「トップクラス」等の抽象表現 母数・期間で具体的に示す
7 中身 関係の薄い経歴も同じ分量 関連経験を厚く書く
8 言葉と情報 社内用語・略語のまま 通じる言葉へ言い換える
9 言葉と情報 社外秘や顧客名をそのまま 表現を置き換える
10 言葉と情報 実績を盛る 説明できる事実で書く
11 体育会経験 部活の実績が主役 社会人実績を主役にする
12 体育会経験 大会名等を説明なしで書く 規模・母数・役割を添える

体裁のNG例|読む前に評価を下げやすい3つ

体裁の不備は内容以前に読みにくさにつながるため、最初に直しやすい部分です。

NG1 枚数が多すぎる・少なすぎる

枚数の目安は情報源で幅があります。dodaの書式ページは2〜3枚が基本、多くても5枚まで(doda)、リクルートエージェントは「A4サイズ1〜2枚」としています(リクルートエージェント)。いずれも2026年10月時点の掲載内容です。

20代で職歴が短い場合は、少ない側の枚数から考える方法があります。リクルートエージェントの同記事は、社会人経験が短くても応募職務に関連した経験を具体的に書くことを勧めています。

NG2 誤字脱字、会社名の法人格・資格名の略記

埼玉県女性キャリアセンターは、誤字脱字の確認と見やすいレイアウトを挙げています(応募書類)。マイナビ転職は、会社名に法人格を書いていない例や、資格を正式名称で書いていない例(普通自動車第一種運転免許など)を挙げています(WEB履歴書のNGパターン)。WEB履歴書の記事ですが、職務経歴書にも通じる点です(いずれも2026年10月時点の掲載内容)。

NG3 経歴を年表のように並べるだけで要点が見えない

dodaの職歴の書き方のページは、年表形式を避け、強みが伝わるよう編集して書くことを勧めています(doda、2026年10月時点の掲載内容)。マイナビ転職も、文章の羅列で要点が分からない例を挙げています。応募先が形式を指定している場合は、まずその形式に従います。

中身のNG例|「何をしてきたか」が伝わらない4つ

業務の羅列だけでは強みが伝わりにくく、成果・工夫・応募先との関連を示すことが見直しの中心になります。

NG4 職務要約がない、または長すぎる

これは編集部の視点で選んだ項目です。冒頭に数行の職務要約があると、読み手は全体像をつかんでから詳細を読めます。反対に、要約が職務経歴の欄と同じ分量になると、要約の役割を果たしにくくなります。担当領域・期間・主な取り組みを数行にまとめ、詳細は職務経歴の欄に任せる形が考えられます。

【職務要約の例】〇〇株式会社で〇年間、法人営業として〇〇業界の新規開拓と既存顧客のフォローを担当。〇〇の見直しに取り組み、〇〇につなげました。

NG5 「担当しました」で終わり、工夫や結果がない

dodaは意図→実行→結果で書くことを勧めています。自分の業務でも、目的・行動・結果を1文ずつ書き出すと整理できます。結果を数字にしにくい場合は、数字の実績がない体育会出身者の書き方も参考になります。

NG6 「トップクラス」「ミスなく」などの抽象表現

dodaの掲載例は、次の2つです。

NG例 書き換え例
営業成績は常にトップクラスです 全国300人の営業員の中で、受注金額ランキング14カ月連続でトップ10
在庫管理業務をミスなく慎重にやっています 在庫管理業務を24カ月ミスなしで担当

どちらも「何人の中で」「どれくらいの期間」という比べる基準を添えている点が共通しています(doda、2026年10月時点の掲載内容)。自分の業務でも、母数・期間・頻度のどれかを添えられないかを確認すると書き換えやすくなります。

医療人材紹介の企業の人事担当者は、学歴より、経験から何を学んだかを自分の言葉で語れるかを重視していると話しています(人事の声、2026年1月14日取材)。新卒採用の文脈で、1社の声ですが、経験を具体的な言葉で説明できる状態にしておく考え方は中途にも通じます。

NG7 応募先と関係の薄い経歴を同じ分量で書く

すべてを同じ分量で書くと、関連する経験が埋もれる場合があります。リクルートエージェントは、社会人経験が短い場合について、応募職務に関連した経験を具体的に書くことを勧めています。これを踏まえると、関連経験を厚く、他は簡潔にする強弱が考えられます。

言葉と情報のNG例|社内では通じても読み手に伝わらない3つ

社内用語や前職の内部情報、事実と異なる記載は、伝わらないだけでなく信頼を損ねる場合があります。

NG8 社内用語・業界用語・略語をそのまま使う

dodaは業界用語を避けることを勧め、「部内QM事務局」を「企画部で四半期ごとに行う全体会議の事務局(準備・運営)」と書き換える例を示しています。

話し言葉の例ですが、ある大学サッカー部出身者は、体育会的な率直な物言いが新卒入社後に周囲を戸惑わせ、場面に応じた使い分けの必要性を学んだと話しています(OBOGインタビュー、2026年2月6日取材。1人の経験談です)。書類の言葉選びにも通じる考え方です。

NG9 前職の社外秘の情報や顧客名をそのまま書く

社外秘の情報や取引先名は、就業規則や秘密保持の取り決めで扱いが定められている場合があるため、書く前に確認しておくと安心です。顧客名は「大手〇〇業の法人顧客」のように置き換え、規模や関わり方が伝わる範囲にとどめる方法があります。

NG10 実績を盛る・事実と異なる数字を書く

書類の内容は面接で深掘りされる可能性があり、根拠を説明できなくなると信頼性に影響する場合があります。説明できる事実の範囲で書き、チームの成果は全体と自分の役割を分けて書く方法があります。数字が少ない場合は数字の実績がない体育会出身者の書き方が参考になります。

体育会経験の扱いのNG例|体育会出身者が見直したい2つ

部活の経験は書き方次第で裏付けになりますが、主役にしたり競技内の言葉のまま書いたりすると伝わりにくくなる場合があります。

NG11 部活の実績や肩書きが主役になり、社会人の経験が薄く見える

職務経歴書はこれまでの職歴を伝える書類なので、部活の実績や肩書きを大きく書くと、社会人の経験が薄く見える場合があります。社会人の実績を先に書き、部活は自己PR欄に数行で添える形が考えられます。書くかどうか迷う場合は転職で部活・体育会経験は書くべき?、具体的な書き方は職務経歴書で部活・体育会経験を強みに変える書き方をご覧ください。

NG12 大会名・リーグ名・ポジション名を説明なしで書く

競技を知らない読み手には、大会名だけでは規模や役割が伝わりにくい場合があります。マイナビ転職が挙げる「受賞歴の規模が分からない」例と同じ構造です。

NG例 関東〇部リーグでレギュラーとして出場

書き換え例 関東地区の〇部リーグ(〇校中〇位)で、〇〇(役割)として出場

数値は実際の内容に置き換えてください。ポジション名も同様で、競技特有の名称だけを書くより「攻撃の組み立てを担う役割」のように、何を担っていたかを一言添えると伝わりやすくなります。主将・マネージャー経験は主将・リーダーシップの書き方、マネージャー経験の書き方で扱っています。

提出前のセルフチェックリスト12項目

提出前に12項目を1つずつ確認すると、NGの見落としを減らしやすくなります。番号はNG1〜12に対応します。

  • □ 1. 枚数が応募先の指定や目安から大きく外れていない
  • □ 2. 誤字脱字がなく、法人格と資格の正式名称を書いた
  • □ 3. 年表の羅列でなく、強みが伝わる構成にした
  • □ 4. 冒頭に数行の職務要約があり、長すぎない
  • □ 5. 各業務に意図・実行・結果のいずれかがある
  • □ 6. 抽象表現を母数や期間のある表現にした
  • □ 7. 応募先に関連する経験を厚く書いた
  • □ 8. 社内用語や略語を通じる言葉にした
  • □ 9. 社外秘や顧客名の扱いを確認した
  • □ 10. 面接で説明できる事実の範囲で書いた
  • □ 11. 社会人実績が主役で、部活は数行にとどめた
  • □ 12. 大会名等に規模・母数・役割を添えた

職歴の棚卸しから始めたい場合は、職務経歴などを整理できる厚生労働省のマイジョブ・カードも利用できます。転職準備全体は転職チェックリスト完全版もご覧ください。

まとめ

職務経歴書の見直しは、4つの分類で点検すると整理しやすくなります。

  • 体裁は、枚数・誤字脱字・構成を応募先の指定と目安で確認する
  • 中身は、意図→実行→結果と応募先との関連で書く
  • 言葉と情報は、読み手に通じる言葉と説明できる事実で書く
  • 体育会経験は、社会人実績の裏付けとして規模や役割を添えて数行で書く

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