「部活でマネージャーをしていたけれど、選手ではなかったから転職でどんな仕事が向いているのか分からない」——中途採用の転職活動を進める中で、こうした迷いを抱える元・部活マネージャーの20代は少なくありません。似たテーマの記事として、マネージャー経験を職務経歴書にどう書くかは職務経歴書、部活マネージャー経験の書き方【例文付き】で解説しています。この記事はその手前の段階、つまり「マネージャー経験がそもそもどの職種と相性が良いのか」という進路選びの視点に絞って整理します。

結論として、マネージャー経験に「これ一択」という決まった転職先はありません。ただし、マネージャーとして担ってきた業務を行動特性に分解すると、相性の良い職種の候補はいくつか見えてきます。この記事では、部活マネージャー経験を行動特性の観点から棚卸しし、向いている職種の考え方を紹介します。

結論:マネージャー経験は「特定の職種」ではなく「行動特性」から向き先を考える

部活マネージャー経験を転職に活かす際の起点は、「マネージャーだった」という肩書きそのものではなく、その中で発揮していた段取り力・気配り・調整力といった行動特性です。同じマネージャーという役割でも、担っていた業務の中身は部やチームによって幅があるため、まず自分がどんな行動特性を培ってきたかを整理することが、向いている職種を考える出発点になります。

部活マネージャーが担ってきた業務は、実は人によって幅がある

直下の結論から先に述べると、「マネージャー」という役職は同じでも、実際に担っていた業務は部によって大きく異なります。転職先の職種を考える前に、まず自分が何を担っていたかを振り返ることが重要です。

例えば、名古屋大学体育会男子ラクロス部では、マネージャーを審判スタッフと分析スタッフに役割分担し、データ分析を軸にした組織改革を進めた例が紹介されています(出典:ツナカレ大学生インタビュー)。早稲田大学柔道部では、学生トレーナーが朝練の運営を担う一方、マネージャーが会計などの実務を担当する体制が取られています(出典:)。西南学院大学アメリカンフットボール部のように、ポジションごとに専属マネージャーを配置し、食事会を通じて学年を超えた交流の橋渡し役を担っていた例もあります(出典:)。

このように、同じ「マネージャー」という肩書きでも、データ分析が中心だった人もいれば、会計・経理に近い業務が中心だった人、対外的な調整役や部内コミュニケーションの橋渡しが中心だった人もいます。まずは自分が実際にどの業務に比重を置いていたかを思い出すことが、職種選びの第一歩になります。

マネージャー経験から見えやすい4つの行動特性

自分が担っていた業務を思い出したら、そこから見えてくる行動特性を整理してみましょう。代表的なものとして、次の4つが挙げられます。

段取り力:複数の予定・タスクを同時に管理する力

練習・試合のスケジュール調整や、用具・遠征の手配など、複数の予定を同時並行で管理してきた経験は、優先順位をつけて物事を進める力の裏付けになります。

気配り・観察力:相手の状態変化に気づく力

部員の体調や心理状態の変化に気づき、声をかけたりサポートしたりしてきた経験は、相手の状態を観察し先回りして対応する力の裏付けになります。

調整力:価値観の異なる人同士を橋渡しする力

対外的な関係者との連絡調整や、競技への熱量が異なる部員同士の橋渡しを担ってきた経験は、立場の異なる人同士の間に立って物事を進める力の裏付けになります。

縁の下の力持ち思考:自分が主役でなくてもチームの成果に貢献する姿勢

試合や大会で表に立つのは選手であっても、その準備や運営を支えることに意義を感じて取り組んできた姿勢は、成果の全てを自分の手柄にしない働き方と重なる部分があります。

行動特性別に見る、向いている職種の候補

上記の行動特性を軸に、相性の良い職種の候補を整理すると、次のようになります。

行動特性 向いている職種の候補 活きやすい理由
段取り力・複数タスク管理 秘書・アシスタント職、PMO/プロジェクトアシスタント、カスタマーサクセス 複数の関係者・タスクを同時に管理する場面が多い
気配り・観察力 人事(採用・労務)、カスタマーサポート、医療事務・介護事務 相手の状態変化に気づき先回りして対応する場面が多い
調整力 営業事務、貿易事務、広報・PR 社内外の関係者間の橋渡しが求められる
縁の下の力持ち思考 総務・経理などのバックオフィス、イベント運営、ホテル・旅行などのホスピタリティ業界 自分の成果より全体の運営を支える意識と重なりやすい

このマップはあくまで傾向であり、必ずこの通りに当てはまるわけではありません。自分の経験がどの行動特性に近いかを考える際の目安として活用してください。また、同じ職種でも企業によって求められる働き方は異なるため、行動特性との相性だけでなく、実際の業務内容も確認する必要があります。

「マネージャーだから向いていない」と思い込みやすい職種にも目を向ける

体育会出身者というと営業職が連想されやすい一方、マネージャー経験者は「自分は裏方だったから営業には向かない」と考えがちです。しかし、法人営業の中には新規開拓よりも既存顧客のフォロー・関係構築が中心の営業スタイルもあり、複数の取引先の状況を把握しながら段取りを組むという点では、マネージャー経験と重なる部分があります。営業を含めた体育会出身者全般の職種マップは体育会系に向いている仕事は営業だけじゃないでも整理していますので、あわせて参考にしてください。

一方で、「向いていそうだから」という理由だけで職種を決めてしまうと、実際の業務内容とのミスマッチが起きることもあります。相性の良さはあくまで判断材料のひとつとして捉え、最終的には仕事内容そのものへの興味や適性も合わせて考えることをおすすめします。

主務・アナリストなど近い役職との違いを意識する

マネージャーと似た立場に「主務」がありますが、主務は主将・副将に近いチーム運営の意思決定に関わる比重が大きく、マネージャーは選手・チームを支える裏方としての実務比重が大きいという違いがあります。どちらが優れているという話ではなく、自分が実際に担っていた役割に即して素直に強みを言語化することが大切です。主務経験の活かし方については主務経験、転職での強みと活かし方で解説していますので、自分が担っていた役割がどちらに近いかを踏まえて、この記事のマップを参考にしてください。

職種を選ぶときに確認したい2つの視点

視点1:行動特性の一致だけでなく、実際の業務内容を確認する

同じ「調整力が活きる職種」でも、営業事務と広報・PRでは日々の業務内容が大きく異なります。行動特性の一致は判断材料のひとつに過ぎず、実際にどんな業務を、どんな環境で行うのかまで確認することが欠かせません。

視点2:「向いていそう」と「やりたい」は別に考える

行動特性の相性を整理していくと、「向いていそうな職種」がいくつか見えてきますが、それが「やりたい仕事」と一致するとは限りません。相性の良さは、あくまで「その仕事で力を発揮しやすい可能性が高い」ということであり、本人がやりがいを感じるかどうかは別の問題です。マップを参考にしつつ、最終的には自分自身がその仕事にどれだけ興味を持てるかも合わせて考えることをおすすめします。

まとめ:マネージャー経験は「裏方支援」の行動特性を起点に複数の職種で検討できる

部活マネージャー経験は、「裏方だったから活かせる仕事が限られる」というものではありません。段取り力・気配り・調整力・縁の下の力持ち思考といった行動特性を切り口に考えると、相性の良い職種の選択肢は一つではなく複数あります。まずは自分が実際に担っていた業務を棚卸しし、そこから見える行動特性を起点に、職種の候補を広げてみることをおすすめします。

自分の経験がどの職種に活きるか一人で判断がつかない場合は、ツナカレキャリアの無料キャリア相談もご活用ください。転職の進め方全体を確認したい方は第二新卒×体育会系の転職完全ガイドもあわせてご覧ください。株式会社PieceTimesは現在、有料職業紹介事業の許可を申請中であり、許可取得までは求人のご紹介・斡旋は行わず、キャリアに関する情報提供・ご相談のみを承っています。